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研究員チームよる、モリンガ染めチャレンジの続編レポート「モリンガ染め・生葉編」。前回の「モリンガ染め・準備編」(以前のブログはこちら)で、染めに向けての準備はしっかり完了。
それぞれの葉の状態によって色の出方は違うのか? など、気になる点を頭に浮かべつつ、まずはモリンガの生の葉を使って染料を作り、染めてみましょう。(研究員TOMO)

生葉から染料を抽出する方法はさまざまです。
葉を水と一緒にミキサーにかける方法、あらかじめ粉砕してぬるま湯に浸す方法、そのままぬるま湯の中で葉をもんで色素を出す方法などがあります。
モリンガの葉は大きくないため、今回は洗濯ネットに生葉を入れ、ぬるま湯の中でもみ出す方法を選択しました。生葉は新鮮であればあるほど色素の状態が良いそうで、これは師匠談。染液中の染料は布が吸収するにつれて薄まっていくため、Tシャツ(Lサイズ)を染める今回は、多めの染料を準備することにしました。

モリンガの葉と茎を一緒に洗濯ネットに入れ、約600gで染液を作っていきます。
まず染色用の鍋またはバケツに、約6Lのぬるま湯を準備。その中でじっくりと葉をもみ込みます。
1Lあたり100gの生葉の分量で進めてみましたが、葉の色からイメージしていた鮮やかなグリーンではなく、紅茶のような茶色が広がってきました。香りは「モリンガ」の特徴的な薬草感、さらにもみ続けると、やや濁りのある色合いになりました。これ以上大きな変化が出なさそうなところでストップ。時間はおよそ10分程度でした。

本来なら、このまま出来上がったモリンガ染液に染め布を入れたいところですが、ここで重要になるのが、準備編でもご紹介した「媒染」です。
色素を繊維に定着させるため、今回は3種の媒染剤を用意し、その違いを比べてみます。
・生葉染め×酢酸アルミ媒染
・生葉染め×木酢鉄媒染
・生葉染め×ミョウバン
媒染液の目安は、媒染する布の約30倍量の水(100gの布なら約3Lのお湯)。
「酢酸アルミ」「木酢酸鉄」「ミョウバン」をそれぞれお湯に溶かして準備します。
※市販の媒染剤には、仕上がりに合わせた使用濃度(%)が記載されています。

■今回の媒染剤についてご紹介
(A)酢酸アルミニウム(酢酸アルミ)₃
・近代染色や工業染色でも使われる
・ミョウバンより 繊維への吸着が強い
・より シャープで鮮明な発色
・前媒染・後媒染どちらにも向く
・においは少し酢っぽい
(B)木酢酸鉄(もくさくさんてつ)
・木酢液と鉄を反応させて作る天然由来の鉄媒染液
・草木染・藍染の鉄媒染や改色に用いられる
・水溶液は弱酸性
・色を締め、落ち着いた侘び寂びの表情を生む
・繊維への作用はやや強いため短時間処理が基本
(C)ミョウバン(明礬)硫酸アルミニウムカリウム
・日本の伝統草木染で最も一般的
・水に溶かすとやや酸性
・発色は 明るく、透明感が出る
・繊維への定着が穏やかで扱いやすい

「媒染」には、「先媒染」「後媒染」があり、染めものに、先に「媒染」をしてから染液に入れる手法と、染液につけてから媒染液に入れる方法があるのですが、今回「後媒染」を選択しました。

1)まずモリンガ染液にTシャツとハンカチを浸します。
染液が均一に吸収されるよう布を広げ、染液をもみ込みながら約2分。
薄い茶色をまとった状態に。この時点では、まだとても淡い色合いです。

2) 染液をしっかり絞り、それぞれの媒染液へ。
すると――
・媒染液(A)酢酸アルミニウム→ 淡い黄色に変化
・媒染液(B)木酢酸鉄→ 落ち着いたグレーベージュに変化

3) 媒染液を絞り、よく広げます。
この「染色 → 媒染」の工程を数回繰り返し、好みの色合いになったところで完成です。

想像していた以上に、媒染剤の違いが明確でした。
ハンカチの酢酸アルミ媒染はレモンカラーに!鉄媒染のTシャツは、まさにアースカラーに仕上がりました。
今回の挑戦で、生葉のモリンガ染液でもしっかりと染色できることが証明されました。
カラダにも良いモリンガの生葉で染めたTシャツは心もリラックスできそうな印象です。
まだまだ続く、モリンガ染めのチャレンジ。
次回は、モリンガ乾燥葉での染色レポートをお届けします!

