Related Articles
今回、モリンガ染めを始めるきっかけは、モリンガ研究所の研究員たちで「モリンガの新しい可能性を探し、いろんなチャレンジをしてみよう」という話し合いの中から生まれました。
15年に渡り、藍染めの世界に足を踏み入れている私、研究員TOMOが「モリンガも草木染めのように染められないかしら?」と、が発言したことがきっかけ。
「モリンガ染め」でインターネット検察をしてみましたが、ほとんど情報が見当たりませんでした。
「これは面白いことになりそう!」と話しがまとまり、さっそく染め体験に向けてスタートを切ります。(研究員TOMO)

ジャパンブルーとして世界中に広まった藍染めですが、もともと抗菌作用などが高いと認知されており、武士の甲冑の下に藍染めの衣服を着用していたという歴史もあります。
となると、抗炎症物質、抗酸化物質をはじめ、90種類以上の必須栄養素を補給できてしまう“奇跡の木”と呼ばれるモリンガで染色されたTシャツやハンカチ、ストールなども、きっとカラダにも優しいはず!
「日本国内で育つ植物はすべて色素がでるはず」
という藍染めの師匠の言葉を信じて、準備に取り掛かります。

モリンガの葉の色素について調べてみると、主となるものは次の3つだと言います。
1) 葉緑素:緑色の色素で、植物が光合成を行うために必要な成分
2)カロテノイド:黄色~オレンジ系の色素で、βカロテン、ルテイン、αカロテン、キサンチンなどがあり、抗酸化作用もあります
3)フラボノイドやその他の色素・活性化合物(例:フラボノイド、タンニン、サポニンなど)
※ただし、染色用途としての報告は限定的です
以上を踏まえると、モリンガには「緑(葉緑素)」「黄色〜オレンジ系(カロテノイド)」の色素が豊富であり、その色に染まる可能性があると予想されます。果たしてどんな仕上がりになるのか、研究員たちの期待も膨らみます。
「草木染め」という言葉は、大正から昭和にかけて染色家の山崎斌(あきら)氏によって創案され、一時期は商標登録もされていました。より多くの方に親しんでいただきたいとの思いから、商標権を手放したそうです。
自然界の植物にある色素を使って布を染めるという「植物染め」自体は、中国やヨーロッパでは紀元前から、そして日本では縄文時代から行われていたとされています。
はじめは、植物そのものを布に叩きつけるなどの手法だったようですが、徐々に色素を出すために植物を煮出して染液を作るようになります。布を染めるという作業自体はとてもシンプルなのですが、しっかりと色を定着させるには「媒染」という工程が必要とされています。
これは、アルミや鉄などの金属を布に付着させることで、色を布に定着させる技術です。
この媒染技術は、奈良時代には確立していたことが正倉院の宝物からもその証拠が見つかっています。媒染剤の違いによって、色合いも変わるため、昔の方々がどのようにその技法を発見したのかは非常に興味深いところです。
そんな、「植物染め」は、平安時代には大流行し、日本独自の繊細な色彩文化が形成され、自然にちなんだ美しい名称も多く生まれました。
その都度、自然な色の変化を楽しむのも植物染めの魅力です。しかし、江戸後期~明治時代に、均一な色で多くのものを染められるという化学染料が登場したことで、植物染めは次第に衰退したのです。
藍染めや草木染めを参考にし、決まったのが下記3パターンです。
A)生葉染め・・・鮮度の高い葉を使用。淡い色になると予想。
B)乾燥葉&茎・・・乾燥葉の色素と茎の色素がミックスされ、複雑な色になるのでは?
C)乾燥葉(粉)・・・茎を外したため、よりクリアな色に仕上がるかも?
染料を販売している専門店で、モリンガ用の媒染剤を購入します。
3つはチャレンジをしてみよう!と、選んだのが「鉄」「ミョウバン」「アルミ」の3種です。
*購入先はこちら: https://www.aikuma.co.jp/
どのような色に染まるのかは未知ですが、それぞれの違いをみるのが楽しみです。

草木染めでは、シルクやリネンが染まりやすいとされていますが、今回は普段使いを考えて綿アイテムを選びました。Tシャツ、ハンカチを染めようと決めたので、師匠にアドバイスを伺うと「昔は、綿を呉汁(大豆を煮た汁)につけて処理していましたが、豆乳に一晩つけ置くだけでもいいですよ」とのこと。これは、たんぱく質の働きが染液の付着をよくするそうです。ということで、今回は豆乳で一晩つけ置きを。
もっと手軽な方法としては、布の糊や不純物などを除去する化学洗剤も専門店で販売されています。
染料用の寸胴鍋、バケツ、タオル、手袋などを用意すれば、準備は万端。次回のレポートでは、生葉染めの体験を時系列で詳しくご紹介します!
