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栄養価が高いとされているモリンガですが、実際の実力はあまり知られていません。抗酸化や食物繊維という話はよく聞きますが、そもそも栄養って?どんなものをどのくらい摂る必要があるの?
モリンガの本来のポテンシャルを、ずばり!管理栄養士の高橋さんにお伺いしてみました。
スーパーフードと呼ばれる所以、少しずつ解明していきます。(研究員MIKI)

厚生労働大臣から免許を受ける国家資格なのですが、主に食事や栄養の指導をしたり、病院や学校、企業などで献立の内容を考えたり調理を行ったりしています。以前、病院に勤務していたこともありますが、患者さんの病気に内容や病状によって、食事の管理というのがとても重要になってきます。栄養面はもちろんですが、食事を残してしまった際などは栄養不足になる可能性もあるので、なぜ食べられなかったのか、好き嫌いがあったのか、味や食感の問題か、アレルギーはなかったか・・・色々と検証する必要もありますね。その上で、似たようなもので栄養面を補いつつも代替案を探していくことも重要な仕事の一つです。
学校の授業なんかでも教えてもらったかもしれませんが、そもそも人間に必要な栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物。そこにビタミンとミネラルが入ってくることによって体内で機能することになるので、それが最低限の五大栄養素と言われるものです。
アレルギーというのはタンパク質が原因となることが多く、本来必要な栄養素が補えない場合があるので、その代替として大豆製品などが多く活用されているかと思います。
ただ、大豆製品は味が淡白になりがちなことが多くて、調味料を工夫したり、コンソメを使ったり。コンソメは動物性なので、それがダメな人には野菜ベースのものを使用するのですが、今度はそれだと栄養面が不足してくる。じゃあどうやって補うか?ということで、今度は付け合わせや副菜で工夫をしたりとなってくるんです。
食事をメインに栄養価を考えるのではなく、基本を整えつつも補助として色々の健康補助食品でサポートするのが継続の秘訣ですね。
管理栄養士は、1日ではなく1週間単位でバランスを考えることが多いのですが、例えば1日暴飲暴食してしまった日があったとしたら、それ以外の日で調整していくようにします。タンパク質が不足していると感じたら、別の日に多めに摂取できるようなメニューを考えたり。生活の中で無理なく出来ることを行う、ということがとても大切です。
私も基本的には好きなものを食べるようにしていますが、ちょっと肌荒れが出てきたり、喉の調子が悪かったり、そういった不調が現れそうになったら食事で調整するように心がけています。あ、お菓子を食べすぎた時も気をつけていますね(笑)。

インドなどではアーユルヴェーダで使用される薬効のあるハーブとされていますが、色々と紐解くと、タンパク質が多く含まれていたり、必須アミノ酸も、ビタミン、ミネラル、食物繊維も・・・これ一つで必要な栄養素が多く摂取できるんですよね。正直、植物性のものではここまで栄養素が揃っているものって、なかなか見ないと思います。これだけ揃っていると、大豆製品の欠点も補えるので色々と組み合わせで工夫できますよね。
先ほど、五大栄養素のお話をしましたが、栄養の分野ではこれに食物繊維とフィトケミカル(または核酸)、水なんかを加えて七大栄養素として考えることが多いのですが、この辺りまで必要な栄養素を広げて解釈しても完全に補えるのがモリンガ。
そういう意味で、やはりスーパーフードと言われるのが納得です。消化という面では噛まずに栄養を摂ることが出来るというのも魅力的ですね。疾患のある方などは、咀嚼が困難な状況もあるので、そういった場面でも活躍できるかと思います。もっとも基礎代謝という面では、やはり咀嚼というのは大切な要素ではありますが。
直接的に、モリンガを摂れば痩せることはありませんが、ファスティングの際の置き換えとして飲むのには、カロリーダウンにもなるし補助的役割として効果的ですね。腸を休めるためには固形物を控えるというのが有効的なこともあるので、そういう場面では最適だと思います。ダイエット中に食事を減らすと、どうしても野菜類も減ってしまうので、補うためにはモリンガのような栄養バランスの良い補助食品でサポートが必要になってきます。
いやぁ〜、本当に万人に向いているんですよね。老若男女、本当に全員(笑)。
特に飲んで欲しい人は、食事の偏っている方や生活習慣病の予防をしたい方、あとは肌荒れが気になる方ですかね。
食事の偏りを感じている方は、先ほどまでお話しした通り、栄養バランスを整えることが必須。
生活習慣病というのは腸が原因になっていることも多く、モリンガには豊富な食物繊維と抗酸化力のあるビタミンA、C、E、なんかも入っているので、整腸作用が見込まれます。
お肌については、抗酸化力によって血流が保たれ、酸化もしにくくなって腸に栄養素が届きやすくなり、吸収もしやすい環境になるんです。さらにモリンガには食物繊維が水溶性と不溶性の両方が含まれていることもあって、脂質や糖質の吸収を緩やかにしてくれる作用があり、腸が美しい状態に保たれることになります。これがお肌の活性化にもつながっていきますね。(後編に続く)
管理栄養士 高橋さん
大学時代に管理栄養士の資格を取得し、今年で14年目。病院などの現場にて栄養士としてのスキルを身につけたのちに、日本成人病予防協会にて勤務。
自身も食べることが大好きで、疾患のある方や食欲のない方、どんな人でも美味しく食事ができる世の中になればと、日々栄養バランスや食事内容などと向き合っている。